2009年8月20日木曜日

Muriel Barbery「優雅なハリネズミ」

パリの高級住宅街にあるアパルトマンの管理人を27年間勤めている54歳のルネが主人公です。理解しあっていた夫に先立たれ、同居のネコと、お茶を共にする他家の家政婦を務める唯一の友人マニュエラと毎日を送っています。

このアパルトマンに住む政治家の次女で、家族を軽蔑し、自殺願望をもつ頭のいい12歳のパロマ。この本は、ルネのつぶやきと、パロマの日記で構成されています。

主人公は田舎育ちで学歴もないんですが、独学で培ってきた知性を居住者にはひた隠しにし、世間から遠ざかり、常時、テレビをつけっぱなしにして「管理人」を演じています。「優雅なハリネズミ」です。

そんな日々に現れたのが、引っ越してきた日本人オヅ。オヅの深い洞察力に引き寄せられるかのようにルネの世界が広がっていきます。そしてエンディング。

最近、こんな本を読んでなかったんで、一気呵成に読み終わりました(笑)。日本ってこんなイメージをもたれているんでしょうか。トルストイも再読したくなりましたし、オズヤスも見なければなりませんね。

昨年、購入していた本なんですが、机上に積みあがった本の下から引っ張り出して読んだ次第ですが、既に映画化され、先月から公開が始まったようです。


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