2009年12月1日火曜日
ジョディ・ピコー「私の中のあなた」 Jodi Picoult"My Sister's Keeper"
映画の原作。映画とは違った印象となりました。
急性前骨髄球性白血病の16歳の長女ケイト、医療目的のための能力付与を求めて両親を相手に訴訟を起こした13歳のアン、映画には少しひねた存在でしたが原作では学校を全焼させる!二人の兄ジェシー、元弁護士の母親サラ、消防隊隊長の父親ブライアンの5人家族。
アンの弁護士キャンベルと、同じくアンの訴訟後見人ジュリアとの関係は映画になかったストーリー。人生のめぐり合い。このジュリア、好きですね。
自分では制御できない病状を抱えたケイトとキャンベルのユーモアは、この重たいテーマを軽妙なタッチで進めてくれます。
本の構成は、裁判やケイトの命、それぞれの人生をめぐって、時には過去を振り返りながらこれらの人々が交互に語り部となり展開され、想いが十分に伝わってきます。裁決の日の朝、それぞれが別々の想いで同じ外の雨を眺めている場面は印象的です。
映画はどちらかといえばケイトに重きを置いているような気がしましたが、原作はそれぞれの人物に光をあててくれます。
しかし、ラストの展開。映画とは180度違ってます。いくら小説であっても「こどもの父親」としてこのラストは許せない! こんなのなしだよ~、ありえないよ~、かんべんしてくださいよ~。
そう、この本はアンとケイトとサラの話というよりは、父親ブライアンの話かと思います。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿