原題は、Jacques Mesrine "L'instinct de mort" 「死の本能」
邦題は、ジャック・メスリーヌの生涯~世界を震撼させた犯罪王~
1979年11月2日の午後3時15分、BMWにシルヴィーと同乗していたところを包囲され、射殺されたメスリーヌが死の2年前に獄中で執筆した自伝です。
銀行や会社、高級住宅街の金を盗み、脱獄を繰り返し、銃を向けられたら容赦なく撃ち返し、友の願いであれば殺人であろうと襲撃であろうと約束どおり実行し、女や子ども、両親を愛していた彼は、一方で社会の矛盾、不正、人間が人間を破壊する仕組みを糾弾し、履歴を告白し、正当化するわけでなく、自分の考えをありのままにつづっています。
彼がこんな人生に踏み込んでいくのは、いくつかの経験、状況が重なっていったからのようです。1936年生まれ、第二次世界大戦、ドイツ兵の恐怖、徴兵された父の不在、両親とのコミュニケーションのなさ、学校、アルジェリア戦争での実戦、会社、不適用、貧困、、、はまり込んでいく様子がよくわかります。
一方でスリリングな人生。ギド、ジャン・ポールといった仲間たちとの襲撃、ソレ、ジャヌー、ジョイス、シルヴィーといった妻や女たち、脱獄、、、ヘタな小説より興味深い、信じられない人生です。
さすがにフランスのWikiには詳しく書かれています。
Jacques Mesrine
リンク先にはいろんな情報が転がっていました。当時の報道、新聞、雑誌、そして写真
L'ennemi public
パリ警視庁は逮捕の意思はなく、広場で取り囲み、機関銃で射殺しました。
彼は殺害脅迫・窃盗・人質拉致・警官殺害未遂・脱獄で懲役20年の判決を受けていましたが、その訴因に殺人罪はありません。判決後、サンテ刑務所からの脱獄、強盗・襲撃、変装・偽旅券での旅行、拉致誘拐を繰り返していたところでのこの射殺です。
「社会の敵」といったとき、この社会は何を意味するのか。そのとき、私たち一人一人の立ち位置はどこにあるのか。
読むきっかけとなったのは、フランスで公開された映画。あ~見にいけなかった~(悲)
2009年12月2日水曜日
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