2009年12月29日火曜日

クリス・アンダーソン「FREE フリー」


副題は、「<無料>からお金を生みだす新戦略」

FREE=自由 この言葉はいろんな使われ方がありますが、今回は「費用からの自由」

インターネットを介したデジタル世界がこの十数年でたどり着いた「無料」の経済モデルを、歴史や心理、経済学、ビジネスモデル、グーグルなどから語りおこしています。

この「無料」が引き起こすさまざまなパラダイム変換。古い経済社会を生きてきた権威の崩壊。世代間のギャップ、というか引き起こされようとしている断絶。

この「フリー」から何を生み出せるか、稀少な価値を作り出せるか。

私たちは今、この「とまどい」の真っ只中を進んでいるような気がします。



<目次>
プロローグ
第1章 フリーの誕生

無料とは何か?
第2章 「フリー」入門
──非常に誤解されている言葉の早わかり講座
第3章 フリーの歴史
──ゼロ、ランチ、資本主義の敵
第4章 フリーの心理学
──気分はいいけど、よすぎないか?

デジタル世界のフリー
第5章 安すぎて気にならない
──ウェブの教訓=毎年価格が半分になるものは、かならず無料になる
第6章 「情報はフリーになりたがる」
──デジタル時代を定義づけた言葉の歴史
第7章 フリーと競争する
──その方法を学ぶのにマイクロソフトは数十年かかったのに、ヤフーは数ヶ月ですんだ
第8章 非貨幣経済化
──グーグルと二一世紀型経済モデルの誕生
第9章 新しいメディアのビジネスモデル
──無料メディア自体は新しくない。そのモデルがオンライン上のあらゆるものへと拡大していることが新しいのだ
第10章 無料経済はどのくらいの規模なのか?
──小さなものではない

無料経済とフリーの世界
第11章 ゼロの経済学
──一世紀前のジョークがデジタル経済の法則になったわけ
第12章 非貨幣経済
──金銭が支配しない場所では、何が支配するのか
第13章 (ときには)ムダもいい
──潤沢さの持つ可能性をとことんまで追究するためには、コントロールしないことだ
第14章 フリー・ワールド
──中国とブラジルは、フリーの最先端を進んでいる。そこから何が学べるだろうか?
第15章 潤沢さを想像する
──SFや宗教から、〈ポスト稀少〉社会を考える
第16章 お金を払わなければ価値のあるものは手に入れられない
──その他、フリーについての疑問あれこれ
結び──経済危機とフリー

巻末付録1 無料のルール──潤沢さに根ざした思考法の10原則

1.デジタルのものは、遅かれ早かれ無料になる
2.アトムも無料になりたがるが、力強い足取りではない
3.フリーは止まらない
4.フリーからもお金儲けはできる
5.市場を再評価する
6.ゼロにする
7.遅かれ早かれフリーと競いあうことになる
8.ムダを受け入れよう
9.フリーは別のものの価値を高める
10.稀少なものではなく、潤沢なものを管理しよう

巻末付録2 フリーミアムの戦術
巻末付録3 フリーを利用した50のビジネスモデル


  • フリーのビジネスモデル:直接的内部相互補助、三者間市場、フリーミアム、非貨幣市場
  • 値段がつくことで選択を迫られる。心理的取引コスト。
  • ペニーギャップ:価格がゼロにおける需要は、価格が非常に低いときの需要の数倍以上になる。
  • 時間とお金の方程式
  • デジタル市場ではフリーは選択肢として存在する
  • ハッカー倫理7か条(1984)
  • 潤沢な情報は無料になりたがる。稀少な情報は高価になりたがる。
  • マイクロソフト対リナックス 悲嘆の5段階
  • フリー世代
  • グーグルが売っているのは広告スペースではなく、ユーザーの意思
  • ウェブ経済
  • 評判という資本
  • 注目と評判の数量化
  • ユーザーがマニュアルを作ろうとした動機:コミュニティ、個人の成長、助け合い
  • ウェブの急成長は、無償労働によってもたらされた。創造的かつ評価される方法で社会に貢献する機会・ツールをウェブが与えている。
  • 潤沢な市場と稀少な市場の両方で競争
  • フリーワールド 中国とブラジル

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