2009年9月10日木曜日

三浦展「シンプル族の反乱-モノを買わない消費者の登場」

調査データとインタビューなどをもとに、1970年以降に生まれた、30代までの世代に多くみられる「シンプル族」を分析し、これから日本において多数派を占めていくであろう価値観について述べられています。





この「シンプル族」、増えているだろうな~ということは感じるところです。その生活原理は、


  1. 物をあまり消費しない。ためない。
  2. 手仕事を重んじる。
  3. 基本的な生活を愛する。

志向性としては、

  1. エコ志向
  2. ナチュラル志向
  3. レトロ志向・和志向
  4. オムニボア(雑食)志向
  5. ソーシャル・キャピタル志向

その実態をみると、非常に共感するんですね(笑)。冒頭の方で、伝統派、モダン派の分析がなされていますが、私はシンプル族8割、モダン派2割かな?(笑)一概には言えないですが。

ただ、シンプル族の「衣食住遊」の各症状をみるとこれやってる!ということが多いです。ユニクロと無印良品の分析も、前に読んだ「無印ニッポン」とあわせて読むと、その人気の理由がよくわかります。

ロハス(LOHAS:lifestyke of health and sustainabilitiy)。その言葉が生まれたのは「Cutural Creatives」、つまり文化創造者たち。自発的な質素な暮らし。Simple Living。精神性や健康を重視し、家族や友人との質の高い時間を過ごすことを重視する、倹約的な生き方。禁欲主義ではない。

ボボス(Bobos:bourgeoir bohemian)経済的には裕福だが、ライフスタイルは自由人のような暮らしぶり。特徴は、

  1. 生活必需品にだけ金を使う
  2. 粗い肌触りを好む
  3. モダンな物、新しい物よりも古い物、貧しい物を好む
  4. 貧富の差を逆転する
  5. 消費者ではなくキュレーター
最後に著者が名づけた「共費社会」はこれまでの「消費」とは異なった社会の登場を示唆しているかと思います。

  1. 物の私有のみにこだわらず、借り物や共有でもいいと考える。
  2. 他者とのつながり、共同(協働)、共感に価値を置く。
  3. そこから必然的に、資源、地球環境を、自国だけ、人間だけのものと考えず、地球上の他の人間、他の生物との共有物であると考える。
  4. したがって様々な国や地球の文化を認め、積極的に取り入れようとする。
  5. 新しい物をいたずらに追い求めるのではなく、古い物の価値を認め、味わおうとする。
  6. 機会文明に過度に依存せず、生活の基本を大事にし、手仕事を重視する。

この本は、40代以降の世代にお勧めです。

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