2009年9月3日木曜日

金大中「自伝 わが人生、わが道」

逮捕、拘束、登録妨害、投票用紙の破棄・偽造、デマ、クーデター、「反革命」、「容共」、投票場や開票場での不正、ニセ立会人、停電不正、報道規制。選挙の度に行われた数々の妨害。

軍事政権。朴正熙との熾烈な大統領選。朝鮮戦争で逃れた「死」。即死3人の仕組まれた交通事故。東京パレスホテルでの拉致。軟禁。資格停止。暗殺。「反国家団体首魁罪」。死刑判決。追放。復活。大統領へ。

著者の波乱の人生はすさまじいものがあります。民主主義を勝ち取るために乗り越えてきた「試練」といっていいのかわかりませんが、よく生きて闘ってこれたと驚くばかりです。鍛え上げられた信念とでも言うんでしょうか。身体で勝ち取ってきた民主主義はゆるぎないものとなっていったんですね。著者の想いが伝わってきます。

巻末に掲載されている「大統領就任演説」。あれから10年。当時の経済危機の中、韓国政府樹立後、50年にして初めての与野党政権交代。そこで語られている内容はいまの日本にも通じるものがあります。「ベルリン宣言」、南北首脳会談声明。政治が生み出す力って、すばらしいですね。

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