2009年7月20日月曜日

大山眞人「団地が死んでいく」

団地での孤独死、日本での「団地」の歴史、作られたストーリー、建て替えか否か、すべては私たち一人一人の創造力と生きる力、社会性、コミュニケーション力にかかっているような気がします。

LDKタイプの団地への考察の本や、コンクリート建造物としての同潤会アパートの話、公団住宅の歴史などはこれまでもいくつか読んではきましたが、多摩ニュータウンの荒廃ぶり、常盤平団地の闘い、同潤会アパートの現代にも通じる普遍性、非常におもしろく読むことができました。

同じく団地に住む私にとって、将来はともかく、今をどう考えていくか、それぞれ違う立ち位置ですが同じ課題をともに取り組んでいくような感じになります。
  • 「鉄筋コンクリート耐用年数30年」という虚構
  • 永山団地のNPO「福祉亭」
  • 建て替え後の戸山団地の悲哀、孤独死、限界団地
  • 常盤平団地の賃上げ反対・建て替え拒否の闘争、それを支える人
  • 日本に団地はなぜ必要だったかのか、歴史
  • 同潤会アパート原景「人と出会う、食事をする、気晴らしをする、客をもてなす、入浴する、養生する、音楽を楽しむ、子どもたちを遊ばせる、、、このようなことすべてが、同潤会の目からは共同生活の質に欠かせない要素であった」 フランス人が書いていた!
  • 娯楽室、児童遊園、食堂、浴室、集会所、医療室、応接室、ミシン室、日光室、音楽室、理髪室社交室、、という「福祉施設」を入れ込んだアパートメント!
  • 「アパート共同体」「一人では何もできない、しかし一人が始めなけれならぬ」昭和22年の「江戸川アパート新聞」第一号
  • まつど孤独死予防センター
  • 孤独死に至るまでのプロセス「低所得」「離婚」「リストラ」「再就職不可能」「先行き不安」「持病」「アルコール依存症」「人間疎外」「不信感」「子どもの独立」「コミュニケーション下手」「ナイナイづくし」「偏った食事」「偏ったプライド」「やる気のなさ」「無知」「住宅の機密性の高まり」
  • 蛆虫と死臭を放ちながら人生の最後を迎えていいのか?
  • 地区社協、緊急通報体制、あんしん登録カード、孤独死ゼロ作戦
  • 著者の提案。「結」の創造、団地内「見守り隊」の組織、セイフティネットの確立、拠点からの情報提供、新聞の発行、「生活サポート隊」の創設、「子どもヘルパー隊」の創設、サロン「幸福亭」の開設、趣味の会の充実、傾聴ボランティア、講習会・情報交換会の開催、緊急警報装置の設置、ホームページ設置
  • プライバシー共有の遵守
  • 住民たちの気づき

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