2009年7月9日木曜日

筑紫哲也「ニュースキャスター」

ニュース23が始まった頃、私は受験生でTVはそれほど見ていませんでしたし、その後の6年間くらいはテレビのない生活を送っていましたので(笑)、この番組を見たのは90年代後半以降でしょうか。そのため、私にとって筑紫さんとの「出会い」は、本を読んだり、「週間金曜日」の創刊時の講演を聴いたりという形が先でした。

この番組でのテーマの取り上げ方、報道の仕方・伝え方、環境問題、「多事争論」、クリントンや朱鎔基との対談(日本でもこんなリーダーが生まれないのでしょうか)、9・11、1・17、音楽、映画、etc キャスターとしての経験やその舞台裏が興味深く描いてあります。

「世代責任からは逃れられない」の段落。彼が子ども頃の「敗戦」、10歳、大人たちの変貌ぶり。それを生きるか死ぬかで体験した世代は、年長者への敬意をひどく欠いた世代で、その人が年上であることが自動的に尊敬の対象となることはまずない。大人に向かって、こういう世の中を次の世代にもたらした、総体としての世代責任、結果責任を「恨」のまなざしをこめて問うてきたかつての少年。今逆にそれを問われる立場であるという意識。

いま自分が何をなすべきかの基準のような気がします。






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