2009年11月23日月曜日

上野千鶴子「男おひとりさま道」


上野先生が「男」のために書いてくれました!おっと「男」のため、というよりは「女」のためにやっかいな問題にケリをつけるため、といったほうがいいでしょうか(笑)。

仕事にかまけている間に時間だけが過ぎていき、気が付いたら「孤独」な世界が待っていた、、という事態だけは避けたいものです。
以前、「孤独死するタイプだね~」と言われたことがあるだけに(笑)。

まあ~いいかと思ってやむやにしてしまうこと、ほかに責任転嫁してしまうこと(それ自体も忘れてしまうこと)をはっきりと分析してくれています。ほんと、ありがたい~。


<目次>
●第1章 男がひとりになるとき

増えている男おひとりさま
死別シングル
離別シングル
非婚シングル
タイプ別に老後をシュミレーション
男が介護を引き受けるとき
セックスは封印?
息子の介護
妻に先立たれるとき
この先、「おふたりさま」になる可能性は?

●第2章 下り坂を降りるスキル

人生のピークを過ぎたとき
男の定年、女の定年
老いを拒否する思想
弱さの情報公開
定年後にソフトランディングする
生きいきと暮らすシングルの先輩たち
居場所づくりは女に学べ
パワーゲームはもう卒業
「おひとり力」をつける

●第3章 よい介護はカネで買えるか

男おひとりさまのふところ事情
いくらあれば施設に入れるか
個室か、雑居部屋か
ケア付き住宅はおすすめか
在宅単身介護は可能か

●第4章 ひとりで暮らせるか

男は自立しているか
「食」のライフラインを確保する
カネ持ちより、人持ち
友人は人間関係の上級編
選択縁タブー集「男の七戒」
ありあまる時間をどうつぶすか
ヒマつぶしの達人たち
男おひとりさまの生きる道
男おひとりさま道10カ条

●第5章 ひとりで死ねるか

生の延長上にある死
在宅見とりを支えるひとたち
家族という抵抗勢力
介護保険を「おひとりさま仕様」に
和解のススメ
あとがき



これから「生きていく」ときに直面するであろうさまざまなこと、それらに思いをめぐらすことから逃げてしまいます。日々の生活に追われていて、、、と言い訳して。
  • 離婚して夫の年金の半額を受け取るより、あとちょっとの辛抱で夫を看取って4分の3にあたる遺族年金を受け取ったほうがよい、という計算
  • 家裁への離婚申し立て人の7割が女性
  • 妻に親権がわたるケースが約8割、夫だけでは子どもを育てられない
  • 在宅で家族を介護しているひとの4人に1人以上が男性
  • 「介護者主導型介護」、妻に対する支配力「愛情」、「愛」という名の所有意識
  • 「よい介護」とは介護される側にとって受けたい介護
  • 妻以外にどんな人間関係も築いてこなかったツケ
  • 65歳以上でなくなったひとの寝たきりの平均期間は8.5ヵ月
  • 80代以上の女性の貧困率は55.9%
  • 高齢者を施設に入れた家族にとって、最大のサービスとは高齢者を家に帰さないこと
  • サービスの質を図る尺度
  • 密室化する施設介護への不安
  • 経済的自立、精神的自立、生活的自立、身体的自立
  • 人持ち、もちろん、家族以外の
  • ユル友 「関係は淡さゆえに、長続きすることだって珍しくない
  • 選択縁づきあい「男の七戒」
  • 能力の価値は、ニーズと合致したときにだけ評価される
  • 人生とは、死ぬまでの壮大なヒマつぶし。どうせ同じヒマつぶしなら、豊かにつぶしたい。
  • 時間はひとりではつぶれない、時間はひとりでにはつぶれない
  • 「自分時間」=「ひとりでいたいときにひとりでいられること」と「ひとりでいたくないときにだれかと一緒にいられること」の組み合わせ
  • 時間を一緒につぶしてくれるのに、いちばん安直な相手は家族である。子どもたちは、自分の人生の時間を、20年ばかりわくわくどきどきさせてつぶしてくれた相手だと思って、それ以上の期待をせず感謝して送り出そう。
  • 男おひとりさま道10か条
  • 家で最後を迎えるための条件 24時間対応の巡回訪問介護・訪問看護・終末期医療
  • 在宅看取り
  • 専門家を自分たちの事業体で抱え込まず、在来の地域資源を活用して24時間対応できるシステムづくり、の実践
  • おひとりさま高齢者の「在宅支援」
  • 家族という"抵抗勢力"
  • 和解のすすめ
最後の「すすめ」は心に残ります。思い残しはないほうがいいですね。

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