2009年5月24日日曜日

G.W.ヴェルナー「すべての人にベーシック・インカムを」

近頃よく耳にするベーシック・インカムについて、何か読んでみようと思い、手にとってみました。

就労の有無にかかわらず、生活に最低限必要な所得を無条件に市民全員に保障すること。そこで初めて文化的な最低限の生活を営むことができ、本当の意味での「労働」が可能になる仕組み。この先、数十年間のことを考えると、この仕組みこそ検討に値するものではないかという感じがしてなりません。

年金や生活保護、介護保険、健康保険、児童手当、児童扶養手当、定額給付金、子育て応援特別手当!憲法の理念や社会の実態とかけ離れてしまった法体系をつぎはぎで延命し、あの手この手の給付金で今日だけを乗り切ることを目的とした税金の支出だけでは何の未来もありません。おまけに「申請主義」で詮索好きな巨大な官僚制度ももはや機能不完全です。この社会の次のパラダイムを議論すべき時代になったような気がします。

著者の創業した企業の話にも興味を惹かれました。組織論、企業内での自発性を可能にすること、演劇ワークショップ、人件費を「従業員所得」と呼んでいること、、、

0 件のコメント: