2009年5月15日金曜日

阿部彩「子どもの貧困-日本の不公平を考える」

机の上に積んである未読の本から取り出し、やっと読むことができました。これまた必読の本です。

高度に集計されたデータを用いて、誰でも理解できるようにわかりやすく、順序立てて、説得力のある言葉で書いてあります。

OECDをはじめとする他国との比較は、日本がいかに対応をしていないということがわかります。「こども」=私たちの未来社会をいかにないがしろに、おざなりに、先送りに、そして取り返しのつかないことをしてきたか、また、わかっていても変えようとしない、そして結果的に変えることができなかったかなどなど、いろんなことを感じさせてくれます。

母子世帯に関する第4章で掲載されている母親のコメントには響くものがあります。自分も子供をもってみて、同じように切実に思うことが多々あります。昨日、自殺者の統計が発表されましたが、母子世帯と自殺者とで、自分と同じ世代の人間が多く、なんともいえない想いにとらわれてしまいます。
  • 貧困と成長を繋ぐ「経路」
  • 市場所得での「再分配」前後での子どもの貧困率の逆転!
  • 相対的剥奪
  • イギリスと日本とでのこどもの必需品の相違
  • 子どもの貧困ゼロ社会への11のステップ
  • とくに、大人に対する所得保障、「世帯」ではなく「子ども」対象とした政策、財源を社会全体で担うこと
  • 給付つき税額控除
  • 「子ども時代の貧困が、子どもが成長した後にも継続して影響を及ぼしている」 

自分と、自分の子どもたちのことをいろいろと考えながら読みました。

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