2009年5月7日木曜日

森巣博「越境者的日本」

田舎からこちらに出てきてはじめて「田舎」の世界がどんな世界かわかったように、「日本」を理解するためには「日本」の外に出なければいけないのかもしれません。人間が集まって話をしても「そんなこと言わなくても~」みたいなことで済ませて終わるような関係が日本全体にまで広がっているのかもしれません。すくなくとも森巣さんのいうところの「常識」=「多数者の持つ偏見」を蹴飛ばしてしまおう!しかしこの社会を維持するためになのかどうかわかりませんが、本当に奇妙な論理の上にこの社会が乗っかっているような気がします。おっと間違い、奇妙なのは論理を維持する、社会の構成員たる人間の方ですね。「無知」=「疑問を発せられない状態」に陥らないよう、自戒しなければ。「無知は罪だよ、諸君、、」とかっこよくおっしゃっていた大学の先生を思い出しました。

「あとがき」にもあるように、2005年に書かれた「蜂起」は、あの派遣村に対する厚労省の対応が、実は公園の隣地に溢れさせないための措置では、と勘ぐってしまわせるようなストーリーの本です。実感を伴いながら読んだことを私も思い出しました。現状のメディアを使いこなせば、あのストーリーも実現可能な世界かと思ってしまいます。

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