2008年4月16日水曜日

堤未果「ルポ 貧困大国アメリカ」

アメリカの実態を理解するうえで必読のルポです。貧困と食生活、貧困から脱出するすべを与えるはずの教育が民営化され格差をより広げ生きる希望を奪っている実態、軍事の民営化と、それを推し進める貧困ビジネス、医療保険や医療現場での搾取、、、市場原理や新自由主義を無制限に推し進めた果ての絶望社会が広がっています。机上の空論と、想像力の欠如、そして企業論理を追求し続けるとこのような社会ができあがるんでしょうか。暴動がおきないことが不思議なくらいです。日本でも、民営化はまだまだ大流行です。国の財政、所得の再配分全体を見直さない限り、中途半端で小手先の政策に基づく、アメリカへの後追いはまだまだ続いていくことになると思います。日本もアメリカも政権交代が必要です。ただし、向かう方向には注意が必要です。エピローグでは、声をあげる市民が紹介されています。ひとりひとりがそれぞれのやり方で声を上げていくことが必要だと思います。このままではいけない、無理解・無関心とあきらめは現状を支えるだけだ、と。

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