2008年8月19日火曜日

J=F.ミュラシオル「フランス・レジスタンス史」

第2次世界大戦下、ドイツ軍に占領されたフランスでのレジスタンスの歴史を簡潔にまとめた本です。さまざまな政治的な動きがうごめくなか、それこそいろいろな職種の人達が、それぞれに信じる、考えるところを根拠に立ち上がり、活動し、そして死んでいったことを歴史に書きとどめることがいかに重要なことか、考えさせられます。後世に生き残った人間の使命でしょう。あの大混乱となったであろう時期にこれだけの動きがそれぞれで起こるという、これこそがその国がこれまで積み上げてきた力、というものでしょう。そして、それらをまとめあげる政治力。すばらしいです。

しかし、死と向き合いながらの活動、何と重たいことか。フランスにはレジスタンスを記念した博物館がいくつもあるそうです。機会があればぜひ覗いてみたいです。訳者あとがきの最後に掲載されている、16歳で銃殺されたアンリ・フェルテの遺書は心を打たれます。

0 件のコメント: