2010年10月27日水曜日

P.F.ドラッカー「ネクスト・ソサエティ−歴史が見たことのない未来がはじまる」

大きな流れが、ネクスト・ソサエティの到来である。若年人口の減少であり、労働力人口の多様化であり、製造業の変身であり、企業とそのトップマネジメントの機能、構造、形態の変容である。

8年前に書かれた「はじめに」の一文は現在でも生きています。この本は2000年前後に書かれた記事を集めたものですが、いろいろな視点を提示してくれます。

「プロフェッショナルの条件」の方が読みやすかったかな。

これまた積んでいた本。メモを残します。


ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまるネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる
P・F・ドラッカー 上田 惇生

ダイヤモンド社 2002-05-24
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<目次>
第1部 迫り来るネクスト・ソサエティ
第1章 ネクスト・ソサエティの姿
第2章 社会を変える少子高齢化
第3章 雇用の変貌
第4章 製造業のジレンマ
第5章 企業のかたちが変わる
第6章 トップマネジメントが変わる
第7章 ネクスト・ソサエティに備えて

第2部 IT社会のゆくえ
第1章  IT革命の先に何があるか?
第2章 爆発するインターネットの世界
第3章 コンピューター・リテラシーから情報リテラシーへ
第4章 eコマースは企業活動をどう変えるか?
第5章 ニューエコノミー、いまだ到来せず
第6章 明日のトップが果たすべき五つの課題

第3部 ビジネス・チャンス
第1章 起業家とイノベーション
第2章 人こそビジネスの源泉
第3章 金融サービス業の危機とチャンス
第4章 資本主義を越えて

第4部 社会か、経済か
第1章 社会の一体性をいかにして回復するか?
第2章 対峙するグローバル経済と国家
第3章 大事なのは社会だ―日本の先送り戦略の意図
第4章 NPOが都市コミュニティをもたらす

  • 知識労働者にとって重要なことは、第1に組織が何をしようとしており、どこへ行こうとしているかを知ることである。第2に、責任を与えられ、かつ自己実現することである。もっとも適したところに配置されることである。第3に、継続学習の機会をもつことである。そして、何よりも敬意を払われることである。彼ら自身よりも、むしろ彼らの専門分野が敬意を払われることである。
  • ネクスト・ソサエティにおける企業とその他の組織の最大の課題は、社会的な正当性の確立である。すなわち、価値、使命、ビジョンの確立である。
  • ネクスト・ソサエティにおいては、まさにトップマネジメントが組織そのものである。他のものは、すべてアウトソーシングの対象となりうる。
  • 知識を基礎とする新産業の成否は、どこまで知識労働者を惹きつけ、留まらせ、やる気を起こさせるかにかかっている。
  • 第五に、CEOたる者は、みながともに生産的に働けるようにすることを考えなければならない。
  • 体系としてのイノベーションで重要なことは、事業、人口、価値観、科学技術の世界で、すでに起こった変化を体系的な作業によって見つけることである。それらの変化をチャンスとして捉えることである。そのために、機能に属するものを廃棄することである。
  • NPOには収益という評価基準がないからこそマネジメントが必要になる。大事なことは使命と活動を明確に定義し、継続的に評価していくことである。そして金銭的な報酬ではなく、責任と成果に満足を見出すボランティアを惹きつけ、留める方法を知らなければならない。
  • 成果をあげるのは指揮者の対人能力である。
  • 優れた組織をつくりあげる鍵は、働き手の潜在能力を見つけ、それを伸ばすことに時間を使うことである。
  • 市場の審判がない以上、それに代わるものとして使命の絞り込みと成果思考が不可欠である
  • 今日われわれに課された課題は、都市社会にかつて一度も存在したことのないコミュニティを創造することである。それはかつでのコミュニティとは異なり、自由で任意のものでなければならない。それでいながら、都市社会に住む一人ひとりの人間に対し、自己実現し、貢献し、意味ある存在となりうる機会を与えるものでなければならない。
  • 知識社会においては、企業は生計の資を得る場所であっても、生活と人生を築く場所ではありえない。それは、人に対して物質的な成功と仕事上の自己実現を与えるし、またそうでなければならない。しかしそれは、あくまでも機能を基盤とする一つの社会であるにすぎない。職場コミュニティの限界
  • NPOが答え 新たな人間環境としての都市社会にコミュニティをもたらす

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